新羅仏像彫刻・珠玉の如来坐像vol.152020.04.03 08:19韓国統一王朝の誕生660年、4世紀以来、三国の対立状態にあった朝鮮半島に変化が起こりました。武烈王(むよるわん ※1)治世下の新羅が、朝鮮半島を自国の勢力下に取り込みたい唐と手を結び百済を滅ぼしました。新羅・唐の連合軍はその3年後にも百済の再興を掲げて進攻した倭(わ - 日本)の...
日本と朝鮮の弥勒菩薩vol.142020.04.03 08:19朝鮮三国時代の弥勒(みろく)信仰三国時代の仏像彫刻は、菩薩の半跏思惟像(はんかしゆいぞう)が数多くつくられました。特に百済と新羅において多くの作例が残っています。半跏(はんか)とは片足をもうひとつの足の上に組んで座ることで、椅子に腰をかけ、上体を前にかがめ、右手の指先を軽く頬に触...
朝鮮三国の仏教美術vol.132020.04.03 08:18朝鮮三国へ伝わった仏教朝鮮半島で興った最初の国家の時期は明確にされていませんが、おおよそ、紀元前8世紀頃から次第に部族国家が形成されていったと推測されています。紀元前2世紀末には漢(中国)の武帝が朝鮮に侵攻し、以降朝鮮は約400年に渡って中国に支配されていました。4世紀初頭、高句...
仏像彫刻の幕引きvol.122020.04.03 07:24戦乱と宋王朝の統一唐が滅び(907年)、中国全土で小国が乱立するようになった時代、北方では5つの王朝が次々と交代し、南方では10の国が興り、覇権を奪い合うようになりました。この乱世は五代十国時代と呼ばれ、政治的には不安定な時代でしたが、中央文化が各地方に普及していきました。比較的...
中国の木彫仏遺品vol.112020.04.03 05:42日本へ渡った仏像古代東アジアの世界の最先進国は中国でした。日本の仏像も長い間中国美術の影響を受けてつくられてきました。しかし、本家の中国仏像は仏教に否定的な皇帝の廃仏やあいつぐ動乱の際に多くが失われてしまいました。一方、海を渡った日本には、古い時代に中国などからもたらされた仏像や...
盛唐文化の華やかな仏像群vol.102020.04.03 03:16武周革命683年に三代皇帝・高宗(こうそう)が没すると、皇后の武氏(ぶし)が権力をにりぎ、みずからが即位して国号を周(690~705年)に改めました。武周革命と呼ばれるこの出来事で、中国史上唯一の女帝、武則天(則天武后)が帝位につきました。その後のクーデターにより唐朝は再興されま...
唐時代の仏像美術vol.92020.04.03 01:36618年、隋の煬帝(ようだい)が江都の離宮で殺され、まもなく李淵(りえん)が帝位につき、唐王朝が始まりました。以降、唐は290年の長期王朝として栄えます。歴史的には、唐は「初唐」「盛唐」「中唐」「晩唐」の4期に分けられます。初唐・盛唐期には、彫刻様式が、開花から咲き乱れて上りつめ...
南北朝~随時代の仏像美術vol.82020.03.05 06:13北魏の分裂・隋の統一へ534年、北魏は東魏と西魏に分裂しました。北魏の急激な漢化政策が民衆の反感を招き、きらびやかで美しい北魏の仏教文化は終わりました。後に北魏は北斉に、西魏は北周に覇権を奪われ、577年に北周は北斉を滅ぼしました。北周の武人、楊堅(ようけん:後の隋の文帝)は、北...
龍門石窟 仏像美術vol.72020.03.05 03:58龍門石窟 ~漢民族文化へのあこがれ漢民族文化に憧れをもっていた北魏の第6代皇帝・孝文帝(こうぶんてい)は漢化政策を推進し、北方の平城を離れ、494年に中原の『洛陽』に都を移しました。洛陽は「後漢」と「三国の魏」以来の古都であり、当時の様子を伝える『洛陽伽藍記(らくようがらんき)』...
雲崗石窟~大規模な造像事業 仏像美術vol.62020.03.05 01:50南北朝時代の雲崗石窟五胡十六国の動乱の中から成立した鮮卑族(せんぴぞく:拓跋氏-たくばつし)の北魏王朝は四世紀後半、平城(現在の山西省大同市)に都を定めて周辺討伐を開始し、439年に華北を統一しました。同じころ、中国の江南地方では漢民族の宋(そう:劉宋-りゅうそう)王朝が成立し、...
中国南朝の仏像 仏像美術vol.52020.02.13 06:45南北朝時代の始まり五胡十六国時代、4~5世紀初めの華北一帯では、北方異民族による王朝が乱立していました。漢民族の晋は一度は中国全土を統一しましたが、北方異民族におされて中国の南半分を支配するにとどまっていました(東晋)。420年、江南地方では東晋の武人から身を起こした劉裕(りゅう...
中国へ渡った仏教 仏像制作の始まり 仏像美術vol.42020.02.13 03:18明帝霊夢説(めいていれいむせつ)中国の仏教の初伝に、古くから伝わる「明帝霊夢説(めいていれいむせつ)」と呼ばれる説話があります。「後漢書(ごかんじょ)」西域伝(せいいきでん)によると、後漢の明帝(在位57~75年)はある夜、全身から光を放つ「金人」が飛来して殿庭に下り立つ夢を見ま...